母音の位置 フルート モイーズ

 先日あるフルーティストの方が我が家にヒントを求めてこられました。曲を少し聞いたところでちょっと中断して、
モイーズ「24の旋律的練習曲と変奏」を少しやってもらいました。私のヒントは「この曲をヴォカリーズとして吹いて下さい」というものです。一つ一つが短いのでヴォカリーズ(母音唱)の練習としてはもってこいだと思ったからです。
この時のヒントがいつも言っている「母音は後ろ」という事です。つまりヴォカリーズとして練習するのであれば何となく歌うようにというだけでは変化はありません。ベルカントモードの母音の位置にしなければ意味のない練習になってしまいます。地声の母音の位置でいくら「歌うように」吹いたとしても効果は実感できないのです。

トランペットにもチコーヴィッツさんの「Flow Studies」とかボルドーニのヴォカリーズとかありますよね。これらも地声の位置でいくら吹いても響きが良くなるという事はありません。観念的に歌っているだけでは効果は分かりませんね。実際に歌う母音の位置で練習することによってヴォカリーズの練習で響きが良い方に変化するのです。観念的でなく肉体的にも「歌うように」吹く事が大事なのです。声は出していないけど歌っているのです。

そのフルーティストも途端に見事に変化し、楽に響く良い音に変化しました。笑顔で我が家を後になさった事は言うまでもありません。

皆さんはどう思われますか?